【俺のおやじ飯】小鹿田焼(おんた焼)コレクション

還暦おやじがオシャレでセンスのいい料理に挑戦する新シリーズ「俺のおやじ飯」が年末の忙しい時期に空気を読まず開始された。早速、盛付け・テーブルレイアウトの練習をしてみた訳だが、食器棚にある所帯じみた食器でオシャレは語れないと俺好みの器を集めることに。まずは形から入るのが俺の基本スタンス、陶芸品のパワーで見栄え30%アップを目指す訳ですね。

メインディッシュの周辺に副菜を配置するため豆皿5枚購入、直径9cm~9.5cm所謂3寸と表記される大きさ。小鹿田焼の最大の特徴は独特な模様で中央の3枚が「飛び鉋」、左端が「刷毛目」と呼ばれる代表的な模様。俺は特に「飛び鉋」が好きで見つめていると吸い込まれるような感覚、宇宙のブラックホールが具現化された器と言って過言ではない。このカッカッカッカッとした引っ掻き模様は古い時計から取り出したゼンマイの先端を鋭く研ぎ、職人が絶妙な力加減で回転するロクロ上の土に押し当て、1ヵ所削ると元に戻ろうとするゼンマイの反発力で次の1ヵ所が削れる連続技。さらにそれを渦巻状に外側にずらしていく訳だからまさに職人技ですよね。実際、小鹿田焼の窯元が集まる集落は平成7年に「国の重要無形文化財保護団体」の指定を受けてる。

抜かりなくご飯茶碗も購入、ご飯茶碗も外側に綺麗な「飛び鉋」が刻まれてる。小鹿田焼の器のパワーを感じていただけたでしょうか。これさえ在れば俺のおやじ飯のグレード30%アップは間違いないところ。「おいおい、メインの料理を盛る皿がないぞ」との指摘ですか?メインの皿は普段使いで小石原焼の「飛び鉋」を既に持ってるので、ソレを使う予定。全て小鹿田焼の器でテーブルレイアウトしてしまうと統一感がありすぎ、整然としてるが面白味がないと思う。素朴な伝統工芸品の器の中にIKEAの北欧テイストの小皿やニトリのチープな小皿を紛れ込ませ、不協和音を狙う作戦だ。

「俺のおやじ飯」シリーズでは豆皿料理だけではなくカレーやパスタ、ワンプレート料理にも挑戦する予定。ソレには直径23cm前後の「ベロ藍」皿を用意、どちらも宮城県の実家を建て替える際に物置からサルベージした明治時代のモノと思われる逸品。

おしまい