青いバナナが食べたい

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写真出典:Amp.
 
青いバナナが食べたい、上のピクチャーだと「ハーフグリーン」が好ましい。皮を剥くとパリパリと皮の内側にヒビがはいる位に固い皮で表面は4割グリーンで6割イエローの熟し具合。果肉を一口齧り咀嚼すればゴリっとした若い歯応え、控え目な甘味に舌に残る渋味が唯一無二の味わいで素晴らしい。家人は黒い斑点が皮の表面を覆うくらい熟したバナナが好きらしいが相容れないですね、熟れすぎたバナナは鼻孔の奥にセメダインの匂いが漂う。

東北の片田舎では1970年初頭バナナは貴重ではないが特別なおやつであった。当時の小学校の遠足のおやつは300円位が目安とされておりマーブルチョコレート、ビスコ、チューイングガムに森永ネクターが鉄板の布陣、そこに予算外で加わるのが茹で卵とバナナであった。ザックの中で押しつぶされチリ紙に包まれた殻の割れた固ゆでの卵に塩を振り噛り付けば、黄身が乾いた喉につまり水筒の水で流し込む、次に青いバナナの皮を剥き自然な甘味と若干の渋味をゆっくり味わうのが遠足の定番であったあの頃。

当時の商店で売っていたバナナが全て青かったかは定かでないが母親が買ってくるバナナは絶妙の青さだった。今にして思えば10日位もつように青い状態のモノを買ってきていたのかもしれないが、瞬く間に食べてしまっていたように思う。
 
さて、現在であるが青いバナナが食べたくても食べられない。スーパーのバナナ売り場には多様な種類のバナナが売られているが全て完熟直前の所謂食べ頃状態で陳列されている。青いバナナなどどこにも売っていないのだ。もしかしたら倉庫には青いバナナが保管されている可能性もあるが、それをサルベージしてまで食べようとは思わない。普通に売り場に青いバナナを置いて欲しいののだ。イトーヨーカドーの「お客様カード」に訴えてみる価値はあるかもしれない。

おしまい