エコノミークラス蕎麦の最高峰「そば政」

そばが好きだ。そばにも厳然たるヒエラルキーが存在し、noguts1960基準で基本のもり・かけそばが400円未満の店はエコノミークラス、400円以上はビジネスクラスに分けることができる。振り返ればこれまでもそばについてはいろいろ書いてきた。(エコノミーの記事が少ないのは書くまでもない店が多いため)

【エコノミークラス】


当然ながらビジネスクラスは年に数回しか行けないので、エコノミークラスから良店を開拓することがポタリングの至上命題となっており常にネットの情報をResearchしAnalyzeする必要があるのだ。そんなMSN(My SOBAYA Network)に高確率でヒットするエコノミークラスそば屋が足立区南花畑に存在しているようなのだ。アド街ック天国のパネラーでそば好きで有名な峰竜太も訪れているらしい。足立区は十分ポタリング圏内なので早速現地調査を開始することにした。だがそのそば屋は土日祝日が定休日で更に営業時間が7:00~15:00と一般的なサラリーマンにとって非常にアプローチしづらい調査対象なのだ。果たして会社を休んでまでエコノミークラスに執着する必要があるか迷うのが常識人だが、私は迷いません。9月某日、会社を休んでESCAPE RX3で首都高6号線高架下を都内に向かう。目指すエコノミークラスは「そば政」。足立区の自動車検査所の向かい側に立地しており電車の場合、一番近いつくばTX「六町駅」から徒歩25分と陸の孤島状態なので自転車で行くのが正解。

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10:10に到着、店頭にメニューが掲載されておりもり・かけそばが350円と見事エコノミークラス基準をクリアー。早速入店、店内はカウンターのみ15席程度であろうか、かつお節のイイ香りが漂っている。入ってすぐ左に食券販売機があり食券を購入し厨房を眺めることができるベストポジションに着席。先客2名、後客1名と予想通り空いている、営業時間が7:00~15:00なので車検場関係者で朝と昼以降の混雑は容易に想像できる。よって10:00台が空いていると予想したのである。

【天もり 490円】

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注文が入ってからそばを茹で、かき揚げを揚げ始める。ご夫婦と思われる男女2名で切盛りしているが、出来上がりのタイミングを揃える阿吽の呼吸はさすがである。

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茹で立てのそばは見た目は白くて細い更科系、コシはそれほど強くないが瑞々しく美味しい。特筆すべきはそのボリューム!お上品なビジネスクラスの2.5倍はある。

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かき揚げの中身はタマネギとエビ1切れ、イカが2切れ、熱々サクサクでツユに浸すとホロリと崩れる。カツオ出汁が効いた辛めのツユにかき揚げの脂が溶けコクが増しそばが一層旨くなる。

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1人に1土瓶で用意されたそば湯でフィニッシュ。そば湯はサラサラとライトな仕上がり、濃い乳白色のドロリとしたものより好みかもしれない。エコノミークラスではそば湯はほぼ無いので、エコノミーメインの自分の中でそば湯基準が確立していないが、次第に固まりつつあるようだ。

【冷や肉 480円】

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注文時「そばは冷たいほうですか?」と聞かれたのでYesと答える、アツ盛りもできるようだ。茹で立てのそばとタップリの肉汁が薬味のネギとワサビを従え登場。

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肉汁は表面に細かい脂が浮き、その汁面の下にこま切れ状の肉が思いの外大量でおもわずニッコリ。箸でサルベージすると最下層からRPGのラスボス並の存在感を撒き散らしながら巨大なチャーシューが現われた。

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そばは冷水で〆られているが、肉汁は熱くも冷たくも無い人肌の温度で供されたが、もうちょっと熱いほうが現在のつけ麺ブームに慣れた舌にはしっくりくるかもしれない。醤油味が濃い目ながらカツオ出汁に豚肉の旨味も加わり、細めのそばにバッチリ合う。ラスボスもジューシーで柔らかくこの時点で凡百のラーメン屋を凌駕してますね、素晴らしい。

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盛りそば同様、そば湯でフィニッシュ。上等な節系ラーメンスープの味わいですね。

いゃ~堪能しました。足立区南花畑の「そば政」は噂にたがわず名店であった。この味、内容でエコノミークラスを長年にわたり維持しているのは主人の努力と地元の方の応援の賜物だと思います。私のような門外漢は数カ月1回ほど空いてる時間帯に、カウンターの末席でそばをたぐらせてもらえれば幸せです。まさしく「そば政」はエコノミークラスの最高峰であった。

おしまい