大矢 博子 - 脳天気にもホドがある

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『脳天気にもホドがある』 大矢博子
発売日:2010年10月22日
定価:1,365円(税込)

夫にも私にも「好きなこと」があります。そして、病気になったからといって、ふたりともそれを我慢しなかった。するとあら不思議、「好きなこと」の存在は、ときには息抜きに、ときには励みに、そしてときにはリハビリそのものになりました。

大矢さんはその筋では大変有名な方で、私も1990年前半まで大変お世話になりました。当時、彼女は書評サイト「なまもの」を運営している素人さんでしたが、その書評は秀逸で彼女が面白いと評価した小説は100%ハズレ無し、私もそれを参考に図書館で本を借りてました。そのサイトに「なまもの日記」と言うコンテンツがあり、いわゆる日記なのだが彼女の文才が炸裂、こんなにもヒトを楽しませる文章を書けるヒトがいるんだと感心していたのであった。その日記でダンナが自転車レーシングチームに所属するホビーレーサーである記述があったが、当時(1990年代初頭)は釣り(シーバスルアーフィッシング)に熱狂しており自転車には興味がなかったので気にも留めていなかった。
それが最近、大矢さんのダンナ(私より若い)が脳出血で右半身マヒになっていたとネットで知った。今現在は正統派自転車乗りを自負する私にとって、病気により好きな自転車に乗ることができなくなった心情はいかなるものか、その無念さと安寧を得るまでの葛藤の一端でも感じることができればと思い本書を手に取った訳である。しかし、その内容は・・・さすが大矢さんなのであった。これは愛に溢れた実務書ですね。


おしまい