新郎の父として.......

息子の結婚式が近づいてきた、既に入籍しており孫もいるのだが新コロの影響で挙式は2度延期しており今回は決行することに。東京都の陽性者数は最多であり過去2度と比較しても最悪の状況での挙式となるが、会場となる渋谷のお洒落なホテルは入場者全員の検温とスマホアプリ登録が義務付けられており感染対策はバッチリ。出席者も警戒レベルはMAXなのでマスク着用と手指消毒は徹底されてるしね。

結婚式には何度か参列してるが新郎の父として参加するのはコレが最初で最後。披露宴終盤の「新郎の父挨拶」がプレッシャーとしてのしかかる。短い挨拶だがカッコよく決めて息子に流石だと思わせたいし、ソレができる最後の機会だしね。ただ、固有のエピソードやウケを狙った話しは不要で、奇をてらわずオーソドックスな挨拶に徹するつもり。そんな訳で「新郎の父挨拶」の戦略を練るべくひとりでランチへ。

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緊急事態宣言下限定の「焼肉きんぐ」の平日ランチ。平時であればランチ営業は土日祝日のみだが、宣言中は平日でも営業。土日のランチはメチャ混みだが平日は結構空いており広いテーブルで焼ける肉をボーっと眺めながら考え事するには最適の環境。いつものとおり「きんぐコース」をオーダーし4大名物の「きんぐカルビ」「壺漬けハラミ」をジュージュー焼く。お腹いっぱいになり挨拶文もほぼ固まった。

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挙式当日は地下鉄の表参道駅で下車し歩いて会場のホテル到着、まぁ~オシャレなホテルで客層は若者がほとんど。後の人生で立ち入ることはないであろう場所ですね。ラウンジでコーヒーを飲んでいると着替えのための部屋に案内され、人生で2度目のモーニングを着る訳だがカフスボタン装着で若干戸惑う。その後、親族紹介となり結婚式会場へ、ホテル最上階がまるまる教会になってるんですね。結婚指輪をおもちゃの電動ベンツに乗った孫が運んでくる(運転はリモート)演出があり、カジュアルだけど適度に荘厳でイイ結婚式でした。

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パーティー会場に移り披露宴の開始、緊急事態宣言下なので飲み物は全てノンアルコール。酩酊して大失態を犯す危険はないが、緊張がほぐれず小失態を起こす可能性はある訳で。最初はヒラメのマリネにキャビアを乗せた前菜(写真撮り忘れ)、2品目は黒い膜に包まれたマグロの漬けを雑穀米に乗せたお寿司的な料理、黒い膜はサクサクした食感で海苔のようなイカ墨のような風味とコクがある。

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3品目はウニのなんたら。ウニの殻に美味なるモノがぎっちり詰まっており何だかよくわからないがクリーミーでとても美味しい。ノンアル白ワインでいただく。

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スープを挟んで4品目はステーキ、なにやらアワビのグリルも乗ってますよ。さらに手前の黒い物体はトリフュでしょうか?肉はシンプルに岩塩をちょっと付けて食べるととても柔らかく香ばしい赤身の旨みが強い。

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デザートは球体のチョコレートにホットチョコレートを注ぐと溶け落ち、中からクリームとオレンジが。最後にケーキとホットコーヒーが供され料理は終了。いよいよ「新郎の父挨拶」が近づいてきた、シラフのため緊張感はどんどん高まってゆく。

両家の父母が並び新郎新婦から花束を受取り、俺にはマイクが手渡される。会場が暗くなりスポットライトに照らされる。う~ん、この緊張感半端ないです。カンペのメモはポケットに忍ばせてるが見ない方がカッコいいのでそのまま語りだす。とにかく早口にならないことを心がける。

最初は定石通り両家を代表し新郎の父である私からお礼の挨拶を述べることを告げ、緊急事態宣言下の挙式となりご苦労とご心配をかけたことを詫びる。そして息子が素晴らしい伴侶を得て、初孫を授かることができたのはコレまで支えてくださった皆様方のお蔭であると感謝を述べ、これから新しい家庭を築いていくが変わらぬご支援を頂ければ幸いであると未来への展望をちょっとだけ語る。フィニッシュも定石通り参加者全員のご健勝とご多幸を祈念しお礼の挨拶とさせて頂くと締めくくり、「本日は誠にありがとうございました」で深々と頭を下げる。う~ん、決まった。カンペは見ずに噛んだり言い間違いは皆無で落ち着いた口調で語ることができた。コレは予想以上に完璧な出来ではないだろうか、流石だ俺。

おしまい