福田 和代 - 迎撃せよ

イメージ 1『迎撃せよ』 福田 和代
発売:2011年1月29日
販売:角川書店
定価:1,890 (税込)
 
日本の領土に飛来する弾道ミサイルの着弾地点を予測し、PAC-3で迎撃する弾道ミサイル防衛システム(BMD)。「北」のミサイル発射に備え警戒態勢に入っていたが、日本上空を通り過ぎ、今回も予行演習に終わってしまう。その直後に開発中の新型ミサイルを装着したF-2戦闘機が奪われ警戒態勢が続く中、明日の24:00に都心に向けミサイルを発射するとの予告が届く。北のテロリストと退職自衛官の目的は何なのか?現職自衛官でありBMD操作技官の案濃一尉が謎の解明とミサイル発射阻止に向け動き出す。
 
自衛隊アクション物の最高峰は福井晴敏の「亡国のイージス」と思っているが、イージスが★5なら本書は★3といったところか。この類の小説はテロリスト側の論理、動機にどれだけ共感できるかが肝要だが、まずそこがダメ。また、公安警察を登場させ話を膨らませようとの意図は見えるが、なんじゃソレ的なオチで無いほうがましである。「亡国のイージス」は書き下ろしだが本書は月刊誌の連載を単行本化したものであり、散漫な印象となるのはある意味しょうがないのであろう。やはり長編小説は書き下ろしに良い作品が多いと思う。