シン・ゴジラ

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配給会社:東宝
公開年月:2016年7月29日
視聴方法:U-NEXTのポイントで無料視聴

ある時、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸で開かれた緊急会議では、地震や海底火山の噴火など事故原因をめぐって議論が紛糾する。そんな中、内閣官房副長官矢口蘭堂は、海底に正体不明の巨大生物が生息し、それが事故の原因ではないかと推測するが……。
ゴジラが放つ想定外の攻撃に度肝を抜かれること必至。危機に直面した日本政府の対応が細かく描かれていて興味深い。映画に初登場する自衛隊の最新兵器も見逃せない。



古代から生き残った海洋生物が不法投棄された放射性廃棄物に汚染された環境に適応するため進化した「ゴジラ」体内に原子炉系の器官を持ち、空気と水があれば活動エネルギーを作り出せる完全生命体。陸上自衛隊の戦闘回転翼航空機 AH-64D 30mmバルカン砲および誘導弾、99式自走 155mm榴弾砲96式多目的誘導弾、多連装ロケットシステム自走発射機 M270 MLRS誘導弾が全弾着弾しても活動を止めることができず、航空自衛隊 F-15イーグル誘導爆弾 Mk.84でも歯が立たない。米国空軍ステルス戦闘機B-2地中貫通型爆弾 MOPⅡ(バンカーバスター)がダメージを与えたが、その結果、口と背鰭から破壊光線が放出されステルス戦闘機と内閣総理大臣他閣僚11名を乗せたヘリコプターが撃墜されてしまう。日本国内に留まらず海外への上陸も危惧される状況に国連は多国籍軍による核攻撃を許可する。東京都心における核攻撃のリミットが迫るなか、日本国暫定臨時内閣の決断は.........。

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う~ん、面白いですね。ゴジラを国籍不明テロリスト集団に置き換えて視聴すると、より臨場感が増しますね。縦割り主義で責任回避にのみ奔走し、前例がない事案にはまったく対処できない各省庁と国務大臣。根回しと無駄に数が多い閣僚級会議を通さないと総理大臣に意思決定を具申できない硬直した官僚組織。ある日突然、新宿で数十名の武装集団がマシンガンやバズーカ砲で市民を殺戮し始めても、現在の法律では初動対応は警視庁所轄の警察官。拳銃片手にマシンガンに立ち向かいあっさり殉職しておしまい。次ぎに引っ張り出されるのは警視庁所属のSAT(特殊急襲部隊)、武器装備はマシンガンや狙撃銃もあり所轄警察官よりはマシだが、所詮は立て籠もりやハイジャック犯の急襲が主な任務であり、テロリストとの市街戦で勝ち目はないだろう。ここまできてやっと前段の閣僚級会議が数回招集され、その後「国家安全保障会議(日本版NSC)」が開催、自衛隊法76または81条に基づく自衛隊出動が内閣総理大臣に具申される訳ですね。この段階で既に新宿は無辜の市民と警察官の死体が累々と横たわり血の海だろうが、内閣総理大臣自衛隊出動と武器使用を許可する命令を即座に下せば、まだ救いがある。もし、自民党以外の某政党が政権を担っていたら自衛隊出動に難色を示し、被害はさらに拡大する訳ですね。

このように自衛隊は宣戦布告があり対戦国家が明確な場合は機能するのだが、ゴジラや国籍不明で宣戦布告もないテロリスト相手では出動することさえ難しい。さらに内閣総理大臣が出動および武器使用を許可した場合でも、自衛隊が発泡した流れ弾で日本国民が死傷したり私有財産が破壊されるケースが想定されておらず、後日、命を懸け市民を守った自衛隊員が裁判の被告になる可能性すらあるのだ。北朝鮮の事案もあるので、この国の国防は徹底的にスクラップ&ビルドすべきでしょうね。以上、シン・ゴジラの感想でした。

おしまい