埼玉県民7,221,179人(Saitama Prefecture Official Websiteより2012年9月1日現在)の祈りが天に通じたのであろう、フランシスコは関東平野から僅かに外れた軌道をとおり温帯低気圧となってくれた。フランス国外で初めて「ツール・ド・フランス」が冠されたロードレース「さいたまクリテリウム By ツール・ド・フランス」はここ「さいたま新都心」の地で予定通り開催される事となった。HMNやポタリング同好会、いや埼玉県民7,221,179人を代表し、天にむかいお神酒を捧げ感謝の意を表す。
フランシスコの雨は午前中が中心で午後から晴れるとのウェザーニュース予報なので、地元を午前11時に出発決戦の地「さいたま新都心」に正午ごろ到着。さすが「ツール・ド・フランス」本場のチーズやホットワイン、肉のローストなどフランスのテイストが味わえる出店で賑わっている。貧乏性の我々はローソンで購入したビールと焼き鳥でまずは乾杯。その後サイクルフェスタ会場で自転車関連のワークショップを見て回る。
キャノンデールのブースでは実際のツール・ド・フランスで使用されたロードバイクが展示されており、写真小僧で賑わっている。キャノンデールのバッドボーイを駆るHMN会長も何故か嬉しそう。インターマックスのフルカーボンディープリム仕様のバイクはマッドブラックのフレームにゴールドで「Inter Max」のロゴが施され滅茶苦茶カッコイイ!お値段600,000円ちょっと。私にとってロードバイクは本来範疇外だが、このバイクならスーパーサイヤ人ヘルメットともっこりパンツも許せる気がするほどだ。
ポイントレースが始まる時刻となったためコースに出向くが、既にどこもかしこも黒山の人だかり。完全に出遅れてしまったようだ。選手が通過するたび人だかりの上に手を伸ばし適当にシャッターを切るが、残念な写真ばかりだ。午後3時からのクリテリウムメインレースに向けなんとしても場所を確保しなくてはいけない。基本的に歩道を含めた公道上は観戦場所以外は警備員の監視が厳しく立ち止まる事さえ許してくれない。そこで我々が目をつけたのは公道でなないホテルの敷地。階段を昇ったホテルの2階通路は私道であるため公的監視員の範囲外であり、なんとか観戦場所を確保できた。しかしお酒を買いにいったりトイレに行ったりする場合は場所を明け渡さないよう常に交代で行動するチームワークが必要だ。
ポイントレース第2戦を観戦しながらお神酒を天に捧げ続ける。供物はフランス産チーズと厚切りベーコン、ローソンの海苔天だ。このポジションは遮るのもが無くレースは見やすいポイントだが視野角が狭いため油断していると選手は一瞬で駆け抜けてしまう。そのため前方の歩道に張り付いた観客がカメラを構えだしたら、こちらも見逃さないよう身構える気が抜けないポイントなのだ。
すると一人の選手がコースアウトしホテル1階に向ってきた。誘導する係員もおらず観客の間を申し訳なさそうに掻き分け進んでいる。私も何げに撮った写真であったが画像を拡大するとヨーロッパカー「新城幸也選手」ではないか!偶然であるがなんとも貴重な1枚である。
午後3時となりクリテリウムメインレース(2.7Kmを20周)が始まった。序盤はゆっくりとしたペースで2013年のマイヨジョーヌであるチームスカイのクリストファー・フルームは集団後方に控えていたが、周回を重ねると次第にスカイのチームメイトがクリストファーの周辺に集まりだし、スカイのブラックユニフォームの集団がイエローのマイヨジョーヌを囲みアシストする様が形成されていく。いゃ~見ごたえあります。19周目にカタパルト発射したクリストファーが先頭に躍り出てそのまま優勝したようだ(ゴール付近は見えないがおそらく間違いない)。新城選手はほぼ周回遅れのビリ集団をゆっくり流してました。
「さいたまクリテリウム By ツール・ド・フランス」堪能しました。これを企画し実現させたさいたま市長の清水さんと関係各位には本当に感謝します。まずは大成功と思われるのでできれば毎年恒例の行事となり「自転車王国
埼玉」の名を国内はもとより全世界に轟かせて欲しいものだ。
おしまい