柳 広司 - トーキョー・プリズン

イメージ 1『トーキョー・プリズン』 柳 広司
発売:2009年1月24日
販売:角川書店
定価:1,680円 (税込)
 
戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。戦争の腹部を抉る傑作長編ミステリー。
 
いつもの酒飲み友達に幼少期を巣鴨プリズンの近所で過ごした方がいて、酒を飲みながらプリズンの事やアメリカ兵の話をよく聞かされており、今評判のよい柳広司なので読んでみることに。
柳広司、初体験である。ストーリー展開と文章の巧妙さは、貴志祐介に匹敵するのではないだろうか。意外な真犯人とその動機は非常に満足いくものである。しかしながら密室トリックがイマイチなのが残念。このストーリーなら無理して密室にする必要はないのではないかと思うのは私だけだろうか。