花村 萬月 - 希望(仮)

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『希望(仮) - 花村 萬月』
発売日:2012年9月24日
販売:角川書店
定価:1,680円(税込)

山下幸司は東大医学部を目指す高校三年生。受験中にカンニングを疑われ失格となった幸司は、手配師・有働に誘われ肉体労働の現場で働くことに。福井の原子力発電所の点検作業や沖縄のダム建設の現場に飛ばされ……。
少年の目の前に見えてきた「希望」とは? “花村流”青春エンタメ小説!

花村 萬月は3Cだと思う。3Cとは『知・血・痴』だ。本作も3Cが散りばめられているがマイルドタッチに仕上がっている。少年が女や仕事、トラブルに合いながら成長していく花村 萬月お得意のエンタテインメント。安心して読めるがガツンとくるものはあまり無い。今年初頭に読んだ『ワルツ』に比べれば原発について思うところをあまり労力をかけず書いてみましたという感じ。でも文章が巧みなのでさらさらと読め、読後感もよく満足度は高い。さすが花村 萬月である。