笹本 稜平 - 所轄魂

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『所轄魂 - 笹本 稜平』
発売:2012年1月18日
販売:徳間書店
定価:1,680円 (税込)

公園の木立で発見された絞殺死体は、裸足の女性――。捜査本部に着任した警視庁捜査一課のキャリア管理官は、我が息子だった。同時にチョウバ壊しで知られる捜査十三係の鬼係長・山岡も派遣されてきた。26歳警視の俊史と犯人を追うことになった城東署の強行犯係長・葛木の、所轄刑事の意地を懸けた苦闘の日々が始まった……。揺れる捜査方針に、本庁と所轄の面子が火花を散らしてぶつかり合う!

笹本稜平といえば山岳系冒険小説と骨太警察小説の2本立て作家であり、大傑作の『還るべき場所』や佳作である『天空への回廊』など山岳系冒険小説は充実しているが、警察小説は????なのが素直な感想。本小説も犯人とおぼしき人物は早い段階で特定され、物語の主題は近代捜査の手法と、ノンキャリとキャリア、所轄と警視庁本部との確執が物語のメインとなる。最終的に真犯人が摘発されッピーエンドで終わるのだが、オヤジと息子の仲が良すぎて薄気味悪い印象だけが残る。やはり????なのであった。