あの日から1年(2011年6月11日の出来事)

ちょうど1年前の2011年6月11日、私は人生初の出来事を経験しました。
当時ブログを開設していれば、そこに至る過程と日々の経過を克明に綴ったと思います。今回は1周年を機に思うところを記載するので、同じ状況となった場合の参考にでもなれば良いかな。
 
その出来事とは「落車による鎖骨骨折」
 
【落車に至る過程】
アンコラで江戸川サイクリングロードを葛西臨海公園に向かってに南下していた。梅雨時だがうす曇で自転車にとっては暑くもなく快適に漕いでいた。江戸川CRは基本土手の上を走るように設計されており鉄橋をパスする際はいったん河川敷におり、再び土手の上に復帰する構造です。葛飾大橋をパスするため河川敷に下り、通過後、土手上に復帰するためのヘアピンカーブでそれはおこりました。
急なカーブなのでスピードは10Km/h程度だったはずです。いつものとおり右側に重心を移し車体をバンクさせ旋回を開始した時、いつもよりアスファルト上に砂が浮いていると感知した次の瞬間、タイヤがグリップを失い右肩からアスファルトに叩きつけられました。ビンディングは使用していないにも関わらず右足はまったくでませんでした。今思い返しても決して無謀なライディングではないです。浮いた砂にはマジで注意してください。
 
【直後の状態】
落車の瞬間は特に痛みも感じず、あ~あやっちまった見られてたら恥ずかしいといったありがちな感覚です。
なんでもない事をアピールするよう素早く立ち上がりましたが、その刹那経験したことのない感覚を味わいました。体の中心が痛いというより痺れている感じ、震えがおき両腕で体を抱き締めたら右肩に違和感を感じました。右肩をまわすと、経験上動いたことのない部位がグキグキ動くのをハッキリ知覚し、骨折を確信した。
 
【当日の対処】
骨折を確信した段階ではアドレナリンでまくりと思われ、あまり痛みは感じませんでした。しかし、骨折は経験がないため腕をどの程度動かせば、どの程度の痛みが襲うのかわからない恐怖があり、右腕は封印。
葛飾大橋から地元まで約10Kmをカッコンカッコン異音を発するアンコラを左腕1本で運転しなんとか帰還、休日診療をやっている総合病院に駆け込みました。あちこちすりむいて血だらけで骨折を訴えているにも関わらず1時間の順番待ちの後、レントゲン撮影で骨折確定。鎖骨骨折矯正バンドを装着され明日また来院するよう指示され帰宅。その夜の記憶はあまり無い、痛みはなかったように思う。
 
【決断の時】
翌月曜日に病院を再訪した結果、専門の整形外科医の見立ては以下のとおり。
・肩に近い箇所が折れている、鎖骨中央付近の骨折はくっつきやすいが一番くっつ きにくい箇所である。
・骨折箇所をチタンプレートで固定する外科手術を勧めるが、手術してもくっつか ない可能性はある。しかしながら温存療法よりはくっつく可能性が高い。
・外科手術の場合は全身麻酔となるので、それなりのリスクは伴う。また半年後に プレートを取り出す再手術  が必要となる。手術するか、または手術せず温存療 法で直すかは患者さんしだいです!との事。
・くっつかなかったらどうなるのですか?と質問したところ、重いものを持てなく なったり重労働した際、痛みを感じる場合があるが基本問題はないとの事(後日 調べたら、この状態を偽間接と言い結構ヤバイです
・ネットで調べても手術か温存かは意見が分かれています。悩んだ末の決断はくっ つく可能性が高い手術を選択、その旨を外科医に伝える。(忌野清志郎も沖縄で 落車、手術してたし)
 
【入院】
人生初の入院です。新しいパジャマと指定されたふんどしを購入し、入院手続き完了後MyBedに落ち着きました。明日が手術なので不安がある反面、初めての経験に少しだけワクワク感あり。(怖いけど)
この頃から咳をすると胸が痛い症状が現れます。
 
【退院】
胸が痛いことを外科医に伝えたところ再度レントゲン撮影、結果肋骨2本の骨折も判明。外科医曰く、全身麻酔は肺に空気を送り込み続けるので折れた肋骨が肺に突き刺さるリスクは否定できない。せっかく入院してもらたったが手術はやめましょうという事になり、即日退院(でも1日分の入院費はとられた)
鎖骨1本、肋骨2本骨折の重傷となったため、外科医から満員電車の通勤は無理との診断をとりつけ、会社は1ヶ月休みました。 
 
【骨折の日々】
温存となり最低3ヶ月間は鎖骨骨折矯正バンド(正式にはクラビクルバンドと言うものらしい)を装着し続けることになりました。これは胸をはった良い姿勢を強制的にとらされる治療具です。昼間の活動時間はなんとかやり過ごせるが、就寝時は仰向けのまま寝返りはうてません。最も難儀したのが起床時に起き上がることができません。(配偶者はいますが寝室は別なので)左手で敷布団の端を掴み、上げた右足を振り下ろしその反動で上半身を起します。つくづく介護ベッドが欲しいと思った。バンドを装着していた3ヶ月間は、どのように右肩を動かせばどの程度の痛みが襲うのか試行錯誤の日々で、基本は右腕は封印してました。また、クラビクルバンドは強い力で肌に密着するためかなり暑く汗疹ができ、さらに脇の下など皮膚が薄いところは摺れて真っ赤に腫れ上がります。これを3ヶ月装着するのかと思うとウンザリ。
 
【3ヵ月後】
2週間に1回の通院のたび、レントゲン撮影で様子をみます。もやもやした糸のような線が写っており順調にくっついているとの診断です。しかしながら右腕は封印したままなので可動範囲も狭いためあまり実感はない。
3ヶ月が経過しクラビクルバンドを外す許可がでました。バンドをせず好きな姿勢で寝れることに無上の喜びを感じました。
 
【1年後】
フライングディスクを思いっきり投げることができているので、間違いなくくっついてるようだ。右腕の可動範囲も骨折前と変わらず自由に動かせます。でも雨が降ってる時はたまに違和感があり、右腕が引っ張られた時や、なんかの拍子で疼痛を感じる事がある。2~3年後どうなってるかわからないが骨がずれてくっついている以上、完全に元に戻ることは無いと思う。
 
【総括】
全身麻酔による外科手術2回と温存療法どちらを選択すべきかですが、基本は医師の指示に従うべきと思います。私のようにどちらか判断するよう求められた場合は、不愉快な矯正バンドを3ヶ月間装着するのが我慢できるかによると思います。外科手術の場合チタンプレートで固定するので術後に矯正バンドを装着する必要はありません。しかしながら、結果オーライですが温存療法を選択すべしが私の結論です。外科手術は体への負担は大きいと思われるので、やはり最後の手段と思います。特にカルシウム補給のため小魚やミルクを摂取した訳でもなく、いつも通りの食事でアルコールは毎晩かかさず飲んでましたが何とかくっつきました。手術してもくっつかない人もいる訳で運なのか体質なのか不明ですが、自転車乗りは鎖骨骨折して1人前との格言(Byランス・アームストロング)もあるので、その時は腹を括って状況に見合った選択をしましょう。
 
【参考】
手術される場合はこの方のサイトが参考になるかと思います。骨折の箇所が私の場合とほとんど一致してる。