6/6 俺の別府観光

6/6(月)お昼ごろ別府駅に降り立つ、駅前にはフザケタおじさんの銅像が建っており「誰?このおじさん」と観光客を困惑させる。このおじさんは別府観光の生みの親と言われる油屋熊八さんで別府湾に桟橋を作り、日本で初めて観光バスにバスガイドを導入し地獄めぐりや温泉マーク♨も彼のアイデアらしい。

駅から徒歩2~3分のところにある「駅前高等温泉」入浴料は200円で宿泊も可能みたい。大正浪漫を彷彿とさせる趣のある温泉施設ですねー。温泉好きなら嬉々として入るんでしょうが俺は華麗にスルー、後で出てくる「竹瓦温泉」もそうだけど旧い施設なので浴槽のキャパは4~5人程度と思われる。地元の方は地元のルールで入浴してるだろうし、そこに一見の観光客として混ざる度胸は俺にはない。ホテルや旅館の温泉ならほぼ全員が観光客なので問題ないけど、ココは無理。

こちらが「竹瓦温泉」ここは砂風呂が体験できるらしく「駅前高等温泉」よりは観光客向けかも。写真を撮ってると髪を後ろに束ねた30歳くらいのお姉さんがタオルと風呂桶を抱えて入っていった。やっぱり地元民に密着したお風呂なんですよね、俺がこのお風呂に入れるとしたら別府に移住し地元民になった時ですかね、観光客ウゼーとか言いながら。

駅前大通りにはレトロな映画館が。公開中の「トップガン マーヴェリック」を別府で観るのも面白いかもと思ったが「トップガン マーヴェリック」は上映してませんね。ラインナップを見ても知ってる映画は皆無。通好みの知る人ぞ知る映画館なのかも。

暗くなってからだと怖いので明るい内に狭い路地裏を散策、お店はいっぱいあるが何割が営業してるかは不明。夜のとばりが下りる頃、ポツンと灯ったお店のドアを開けカウンターに座り初対面のマスターと他愛の無い会話をしながらジントニックを飲める漢に憧れはあるんですけどね。

休業中の「カラオケ喫茶 夢」のドアには貼り紙が2枚。「入店の際は全身消毒させてくださいませ」「骨折のため当分お休み!」う~ん、カラオケなのに全身消毒され骨折までするとは相当特殊でハードなカラオケプレイが行われていたようだ。

ソルパセオ銀座なるアーケード街があったので侵入してみる。飲食店が軒を並べなんとかアーケード街を盛り上げようと頑張ってる感がヒシヒシと伝わってくる。レトロな雑貨を扱うお店もありナカナカ面白い。

ただ、商店街として機能してるのは駅前大通りのアーケード入口から50m位までで、さらに奥に進入するとこんな感じ。現実は厳しいけど知名度とポテンシャルはあるので、昭和レトロやダイバーシティー、猥雑な温泉街を全面に押し出し「ブレードランナー」的な街になれないですかねー。

別府駅前の散策を終え「地獄めぐり」に出発。駅に戻り「海地獄」逝きのバスを探すが見当たらない。停まっていたバスの運転手さんに訊いたら反対側出口から出てるらしい。別府駅は海側(メイン通り)出口と山側出口があり、山側出口を出た3番乗場に向かう。3番乗場からは5系統位のバスが出てるがどれに乗っても「海地獄前 バス停」に停まるみたい。「海地獄」から「鬼石坊主地獄」「かまど地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」は徒歩圏内。

「地獄めぐり」のスタート地点である「海地獄」の入場料は400円(税込)、入場料は各地獄共通なので7つ全てめぐるなら共通券2,000円(税別)を購入すれば800円お得なので共通券を購入。南の島を思わせるブルーオーシャンから硫黄臭い湯気が立ち昇ってる。

別府に着いてからまだウエルカムドリンクを飲んでなかったので、売店でビールを購入しイートインスペースで喉を潤す。地獄を眺めながら飲むビールは格別ですな。他の地獄をめぐってからの感想だが「海地獄」は施設が新しく海が青いこともありリゾート感が一番ある、アルコールを売ってるのもココだけだし。なのでビールやトイレは海地獄で済ましておきましょう。

鬼石坊主地獄」は泥が沸騰する同心円の形が坊主頭に似てるから坊主地獄らしい。う~ん、地味だけど地獄感は一番かも。

「かまど地獄」は近隣の神社のお祭りにココの噴気でお供え飯を炊く習わしがあったことから命名された地獄。ただ、噴気だけでは他の地獄に見劣りすると考えたのか鬼の模型で地獄感を演出か?

海地獄っぽいコバルトブルーや血の池っぽいレッドレイクもあるので、そこそこ見応えがあるので鬼の模型に頼らなくても良さそうな気もするが。

「鬼山地獄」は鬼山という土地の名前が由来らしいが、はっきり言ってココの地獄が一番ショボい。地獄っぽいのは鬼の模型だけで後はワニが寝てるだけだし、何も無いけどワニ飼って無理矢理地獄めぐりにねじ込んだ感じですかね。現在はコロナで中断してるが飼育員によるワニのエサやりが家族連れには人気らしいけど。

「白池地獄」は噴き出した透明の熱湯が池に落ちると温度と圧力が下がることで自然に青白い色になる地獄。温泉の熱を利用しピラルクや大型熱帯魚が飼育されてるので怪魚好きなら面白いかも。

「白池地獄」を出て坂を下り最初の交差点を左に曲がると1番乗場が別府駅に戻るバス、2番乗場が「血の池地獄」逝きのバス乗り場となっている。時間的には残りの「血の池地獄」「龍巻地獄」へ逝くことも可能だがココで止めときます。残りの地獄コンプリートのため再び別府に来る意味とモチベーションを残しておきたいので。

別府駅に戻ったら別府観光のラスボスと呼ばれる「別府タワー」へ、近くで見ても営業してるとは思えない廃墟感。名古屋テレビ塔、大阪通天閣に次いで1957年に完成し東京タワーのパイセンになるが全高90M、展望台の高さは55Mと後輩にかなり負けてるし。1階の券売機で大人1名500円をポチっと購入しエレベーターで展望台へ、展望台が無人で荒廃してたら結構怖いんですけど。到着し扉が開くとすぐにコンシェルジェのオバちゃんがいてひと安心。

予想はしてたが別府とはあまり関係ない売る気が感じられないお土産が陳列されてる。

SNSを意識しこんな映えポイントも用意されてます。

海側、山側ともに別府の街が一望できるが展望台の窓には漏れなくひび割れがあり結構危ないような.......。脱落防止フィルムを貼ってあるので大丈夫と書かれてるけど後輩の東京タワーでは考えられない対応ですね。海側には今晩の宿「大江戸温泉物語 別府清風」も見えてます。

暗幕で仕切られた一角があり、コンシェルジェに「どうぞ観て逝ってください」とリコメンドされたので覗いてみると結構デカめな白蛇が!別府のラスボスの中枢は白蛇だったんですねー。別府となんの関係があるかわからないけど。


別府タワーは夜になるとアサヒビールの文字が赤く点灯するので、写真に撮るべくコンシェルジェに「アサヒビールのネオンは何時に灯るんですか?」と尋ねたところ、既に撤去されてしまったと寂しげな返事。「遂にアサヒビールにも見限られた訳ですか?」と思わず失礼な質問をしてしまったが、昨年に事業主体が変更となりもうすぐリニューアルのため一時閉鎖となるらしい。なるほどねー、ならこの廃墟感やヤル気の無さ加減も納得できる。別府タワーの末期状況や白蛇が観たいなら今のうちですよ、お薦めします。
おしまい