【デミ勝負】かつや vs 東京デミグラス

えぇ~、そうですね、デミグラスソースは好きですよ。昭和40年(1965年)ごろ仙台の藤崎デパートの食堂でお子様ランチを食べた時、デミグラスソースのかかったハンバーグの美味しさに衝撃を受けましたから。当時、母親の料理は魚か煮物がメインでハンバーグとかスパゲティとか唐揚げとか子供が好きそうなレパートリーは皆無であり、デミハンバーグなんて超弩級未知との遭遇であった。でも昭和の田舎町にデミグラスソースが気軽に食べられる環境なんて無い訳で、高校~大学と酒とタバコを嗜むようになり舌の感受性を失い大人の味覚に慣れるころにはデミグラスソースのことなど忘却の彼方であった。それから幾星霜、令和の世となった昨年12月、シルバーのお仕事の事務所近くに「東京デミグラス」なるハヤシライス専門店が爆誕。時を同じくしてかつやで「デミチキンカツ定食」が期間限定で提供開始。忘れていたデミグラスソースが専門性を身に付けたスペシャリスト、チキンカツを従えたストロングスタイルのプレイヤーとして突然現れた訳で。コレは白黒つけるべく対決してもらうしかないでしょう。

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出典:https://www.arclandservice.co.jp/katsuya/

まずは絶対王者のかつやから。デミチキンカツなのに"豚肉たっぷり"を猛アピールするあたりかつやらしいですね。なにやら粉チーズっぽい粉末もかかってます。

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「デミチキンカツ定食 869円(税込)」だが、100円引き無限ループで769円(税込)。茶色いチキンカツと豚肉に褐色のデミグラスソースがかかりブラウンで埋め尽くされたフライパン、カツは2枚でボリュームは申し分なし。

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当然カツは揚げたてでパン粉はサクサク、ちょっと甘くてビターなデミソースがとても合いますねー。ソースは比較的サラッとしておりもたつかないのでチキンカツは軽快さを失っておらず、チキンの旨みに揚げ油のコクとコロモの芳ばしさを味わえる。

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豚肉はしょうが焼き的な味を期待したがデミ味でした。美味しんだけど全面的にデミソース一択だとやっぱり飽きてくるんですよね。ただ、思いの外たっぷり入ってるタマネギがシャキシャキ瑞々しく爽やかでデミ味をリセットしてくれてイイ感じ、とん汁もいつもの10倍美味しく感じられますねー。

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出典:https://www.arclandservice.co.jp/tokyodemiglace/

絶対王者に挑むルーキーの「東京デミグラス」埼玉なのに東京を冠する店名に気負いが感じられる。専門店らしくメニューはハヤシライス(バリエーションあり)とボロネーゼのみ、他はサラダやスープに煮込みハンバーグ、コロッケなどおかず(90~150円)が用意されている。システムはセルフサービスでトレーとカトラリーを取りメインを注文し、好みのおかずをチョイスしたら会計して空いてる席に座るみたい。オーダーはオーソドックな「ハヤシライス 649円(税込)」にかつやと比較しやすいようおかずの「チキンカツ  99円(税込)」を選択。

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デミグラスソースには牛バラ肉が見え隠れしバイオレットのキャベツの酢漬けが見ため的にも味的にもアクセントになるようだ。カウンターには中濃とウスター2種類のソースが用意されており、チキンカツにはウスターソースをたっぷりかける。

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おー専門店らしい本格的な味ですね、甘さ控えめでコクと苦みが前面に出るタイプ。ハヤシライスはお子様が喜ぶ料理だが、コレはどうなんだろう。「ママの作ったハヤシライスのほうが美味しいー」となるでしょうね。まぁ~、大衆に媚びず本格派で勝負すると覚悟を決めたんでしょう、生意気なルーキーらしくて俺は好きですね。

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チキンカツは揚げ置きであり絶対王者の足元にも及ばないが、コレは仕方ない。かつやはチキンカツがメインだが、こっちはハヤシがメインでチキンカツはサブだしね。

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バイオレットキャベツと一緒に食べてみる、シャキシャキした歯応えと爽やかな酸味がとてもイイですねー。かつやの壺に入ったダイコンの漬物みたく好きなだけ盛れるようにすれば、俺のような酢好きへの訴求効果は計り知れない。ぜひ検討して欲しいですね。

「デミチキンカツ定食 実質769円(税込)」「ハヤシライス + チキンカツ 748円(税込)」と値段的にもガチンコ勝負に持ち込んだ訳だが、絶対王者の牙城は揺るがないですね。なによりとん汁というスーパーサブの存在が大きい。でも、大衆に媚びず本格派のスペシャリストとして勝負にでた「東京デミグラス」の心意気には共感できるので応援したいです。でもね、俺が勝手に勝負させてる訳だが、2つの店の運営会社はどちらもアークランドサービスホールディングス株式会社と身内であり兄弟なんですよ。

おしまい