垣根 涼介 - 狛犬ジョンの軌跡

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狛犬ジョンの軌跡』 垣根 涼介
発売日:2012年12月14日
発売:光文社
定価:1,470円(税込)

太刀川要は、深夜、銚子市の山中をドライブ中に黒い大きな犬をはねてしまう。あわてて犬のもとにかけよると、車との接触でできたとは思えない大きな切り傷からの出血で、半死半生の状態だった。動物病院での治療の甲斐あって黒犬は助かったのだが、奇妙な出来事が続く。


垣根さんは一方的個人的腐れ縁の作家。最初に「ヒートアイランド」次に「ワイルドソウル」をたて続けに読み、冒険小説なのに文体が洗練された作家が現れたと感激したのであった。それからデビュー作の「午前三時のルースター」を始め全ての作品を読んでいるのだが、残念ながら失速感が否めない。特に近年の「真夏の島に咲く花は」「月は怒らない」は純文学か!と思えるストーリーの面白さを無視した難解な心理描写に終始し期待外れ、「人生教習所」は日本版ワイルドソウルを目指したのだろうが中途半端なガイドブック小説になってしまった。全作読んでいるので新作がでれば読むが、本作品もあまり期待はしていなかった。で、感想だが可もなく不可もなく。

おしまい